今回は久々の農業支援です。現場の志津川田尻畑は海から2㎞以上も離れていますが、すぐ脇を流れる水尻川を遡ってきた津波により被災してしまいました。もともとはトウモロコシ畑だったと思われるその土地を、再び農地として利用できるよう、他団体さんも併せて総勢120名ほどで整地しました。広大な畑地の区画ごと、ボランティアさんたちが一列に横並びになり、石やゴミを拾いながら進んでいきます。穏やかな早春の日射しの中、裏の山から聞こえてくる牛の鳴き声に時々顔を上げたりしながら、ピッケルやスコップを休みなく動かし、休憩中には咲いたり芽吹いたりし始めた新しい命に表情を綻ばせたりと、いつになく長閑な作業の一日となりました。
以下、参加者の皆さんのご感想を幾つかご紹介します。
- 畑の端から端まで小石を拾ってやろうという勢いで臨んだが、実際は2メートルほどしか進めなかった。しかし、小さな積み重ねが大きな復興に繋がると思うので、これからも継続していきたい。
- 今日は根気の要る作業だったが、ボランティアに参加する以上はどんな作業であっても積極的にやり抜きたいと思っている。帰り際、地元の子どもが車の中から「またねー」と手を振ってくれて、これからももっともっと頑張ろうと思った。
- 今日改めて現地を見て、微力ではあっても、国民的な課題として、今後も復興への地道な努力が必要であると教えられた。
- 一般に、東北の人たちは我慢強いと言われているが、先祖代々が繰り返しこういった災害を経験し、そこから再び立ち上がってきた、そういう強さが遺伝子にも組み込まれているんじゃないかと思う。自分には東北の人の遺伝子はないと思うが、こういった活動に参加することで、ボランティアに参加した遺伝子みたいなものを残して、自分の子孫たちに代々受け継がれていったらいいなぁなどと思いながら作業した。これからもこの活動を続けていきたい。
参加された皆さん、お疲れさまでした。地道な作業に黙々と取り組むわたしたちを気遣って音楽を流してくれた現地リーダーさん、ありがとうございました。そして今回も、この活動を支えてくださった全ての方に心より感謝いたします。
災害派遣等従事車両の高速無料措置は3月で終了してしまいましたが、桐生災害支援ボランティアセンターでは4月以降も活動を計画しています。多くの皆さんのご参加、お待ちしております。※今回は近隣に民家の建つ現場でしたので、現地リーダーさんの指示に従い、活動中の写真撮影は控えさせていただきました。