「裏切られる」あまり良い言葉ではありませんが、この日ばかりは・・・
前日発表された予報は雪、気温2度、風速9メートルと、かなりタフなもので、一同気合を入れて現地に向かいました。ところが見事に「裏切られ・・・」作業開始時は微風、曇天、終わるころには薄日も差し、地形的に風の影響を受けにくい現場であったことも幸いして、寒いながらも終日快適に作業することができました。
現場は南三陸町の北端、もう少しで気仙沼という港地区で、幅数十メートルという狭小な入り江につながる谷あいの住宅跡でした。塩害を受けた杉からも、地形によって津波がせり上がった高さは明らかで、現場はその最終到達点でした。
作業はガレキの撤去と分別でしたが、いつもながらの驚かされる仕上がりで、勝手ながら「桐生クオリティー」などと称したいものでした。作業した29人のうち3分の1が初参加の方にも関わらず、リーダーが特段の指示を出さずとも、作業が進むに連れて二重三重にフォローの輪が広がる様子は、おざなりの組織論が色あせるほど有機的かつ効率の高いものでした。
それだけに皆さんのコメントも熱く濃いものが多く、全ては伝え切れませんが、一部をご紹介します。
<現地の様子についてポジティブな感想>
- 大きな建物に続いて住宅等の基礎が重機で砕かれていた。ようやく前に進み始めたことを実感した。
- 歌津に計画中の8.7メートルの防潮堤の高さを示す表示や、現場近くの田んぼに除塩中の表示があった。動きを感じた。
- 久しぶりに南三陸町に行ったが、たくさんの変化は小さな積み重ねの結果だと思った。
<現地の様子についてネガティブな感想>
- 3月以来久しぶりの参加だったが、あまりに変化が無く驚いた。
- 初めて被災地に行ったが何も変わっておらず、復興に時間がかかることを実感した。
- 初参加だったが、思っていたことと全く違いショック、復旧はまだまだだった。
<作業について>
- ボランティアセンターでも、桐生の仕事はきれいだと言われた。
- あんなにきれいになって感動した。きれいにすることの意味を考えた。
- 以前、別のボランティアに参加し、同じような作業をしたが、あれほどきれいにならなかった。学ぶことが多かった。
- 作業効率と団結に爽快感を覚えた。参加者の思いと的確な指示の結果だと思う。
- 2回目の参加だったが、作業のクオリティーの高さは群馬の県民性か。
- 初めて参加したが、的確で作業しやすい指示があって良かった。
<その他感想>
- 久しぶりに参加したが、「自分が何かをしたい」という気持ちが薄れてしまっていた。もう一度、自分の気持ちを奮い立たせたい。
- 登校中の小学生から感謝の言葉をもらった、意識せずにはいられない。
- 泊まり企画(6月2日~3日、陸前高田で実施)の際のメンバーが多く、同窓会のようだった。同じ思いを抱く人の存在が心地よかった。
- マスコミでは伝えられなくなったが、自分で現地の状況について発信したい。
- 参加してみて、自分なりにボランティアに対するハードルが下がった。
- これからも参加したいので、続けて欲しい。
以上、充実感と爽快感に満ちたコメントを聞きながらの帰路でしたが、立ち寄ったサービスエリアには雪が残っており、あらためて「裏切られてよかった」との思いを強くして帰桐した一日でした。(粟田)
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