2012年9月8日(土) 南三陸町

2012年9月8日(土) 南三陸町 一般参加者31名+リーダー6名

約1ヶ月ぶりに訪れた南三陸町。志津川地区にはいくつもの「きりこ」のボードが展示されていました。今回わたしたちがお手伝いすることになった現場は、震災から1年半を迎える9月11日に、その「福幸きりこ祭」のイベント『南三陸の海に思いを届けよう』の会場として使われる町の商工会の敷地でした。海へ向けて立てられた数々の「きりこ」、そこに刻まれたさまざまな思いを音楽にのせて犠牲となられた方々に捧げようという催しだそうです。
ステージとなる商工会跡地の基礎部分周辺は、一見、瓦礫も何もすでに撤去済みのように見えましたが、実際そこに立って足下を見ると、まだかなりの量の瓦礫片や土砂が残り、歳月の経つうちに固まって地面や四隅にこびり付いてしまっています。今回、「3日後のイベントのために」という明確な目標が掲げられていたため、未だ秋めかぬ容赦ない陽射しの中での作業だったにもかかわらず、皆さんの気持ちが異様に奮い立っているのが分かりました。それはもう恐ろしいほどのネコの回転率なのです。なかには土砂満載のネコを駆け足で押してくるような人たちもいました。
現場は、八幡川を挟んでちょうど防災対策庁舎の対岸です。わたしたちの作業していた間、向こう岸には途切れることなく車やバスが停まり、多くの人々が降り立ちます。カメラや音響機材を構えた取材陣の姿も見えます。作業の合間にふと目を遣ると、物珍しそうにこちらを眺めている視線とぶつかることもあります。なんとなく、自分はビブスを身に纏った人間なのだということを重く受け止めたいような気持ちになります。
約3分の1が新規の方だったにもかかわらず、全員の思いと力が集結し、また手前味噌ではありますが、うちのOリーダー作製/寄付のふるいが大活躍し、任された範囲の仕事を時間内に形にすることができました。帰り道、バスがその辺りへ差し掛かると、身を乗り出して喰い入るように外を見つめ、商工会の敷地だけが飛び抜けて綺麗になっているのを見て、すっかり日焼けした顔をほころばせていた皆さんの姿がとても印象的でした。
そんな皆さんのご感想には、「まだまだボランティアの手が必要なのだと実感した」「同じ思いの仲間と作業する時間は楽しい」「行って見て経験した者でなければ分からないことをぜひ周りの人たちに伝えたい」というお声が多く聞かれました。毎回こうしてひとりひとりが思ったこと感じたことを言葉にし、また、他の人の思ったことや感じたことを耳にし共有することで、その日の「作業」が「ボランティア活動」として完結するように感じています。「今後もボランティアが必要とされる限り、是非この企画を続けてほしい」という皆さんの熱意に応えられるよう、われわれスタッフも今後とも尽力してゆきたい所存です。
今回も、わたしたちの活動をさまざまな形で支えてくださった現地スタッフさん、上信観光の運転手さん、そしてヤマウチの皆さんに心より感謝いたします。
9月11日、今日で東日本大震災発生から1年6ヶ月です。その節目の日の大事なイベントに少しでもお力添えすることができ、たいへん嬉しく思っています。
※写真は、現地リーダーさんに許可をいただいて特別に撮影させていただきました。


写真をクリックすると大きくなります。

































戻る