一般参加者35名+リーダー4名
◆今回は初めての陸前高田でした。基礎も壊されている場所がほとんどで、だだ広い空地のような場所が広がっていました。作業場所は海から少し離れていましたが、塩害を受けている木もあり驚きました。建物など何もなくなっていることが本当に悲しく、津波の恐ろしさを改めて感じました。
現地に行った私達は伝えるという役目があると思います。それなので継続的に現地に行き、多くの人に現地のことを伝えていきます。(井田)◆一日の作業が終わるころ、身体の疲労とは裏腹に皆さんの顔が充実感で満ちていると、スタッフとしてホッとします。逆に、不完全燃焼の方がおられると、もっと何かできたのではないか、今後に活かすべき反省点は何なのか、いろいろと考えてしまいます。
作業直前になって初めて活動内容が分かるという状況はこれからも続くでしょう。震災から時間が経過し、現地のニーズは変わり、多様化しています。今後、皆さんの熱い想いと完全に重ならない現場が増えるかもしれません。
私たちの一日の活動は、綿々と続く復旧・復興への長い道のりの中のほんの数時間ですが、参加される皆さんの貴重な時間でもあります。ただ、ボランティアは現地のニーズが有ってはじめて成り立ちます。どのような現場であっても、皆さんといっしょに工夫して作業を進め、求められたこと以上の結果を出すことで「完全燃焼」を目指したいと思います。(粟田)◆この日は、広大な酒造工場の跡地で瓦礫撤去作業を行いました。瓦礫といっても、おそらくわれわれの前に幾度か他のボランティアさんたちが入ったのでしょう、いわゆる瓦礫というのはすでに取り除かれた後で、地表に残っているのはほぼ石のみ。経験してみないと分からないことかもしれませんが、石ばかり拾う作業というのは、集中力を保つのがなかなか難しいものです。天然石などその辺に転がっていてもよいような気がしてしまいますし、石を拾うという行為が果たして復興支援につながるのか、その形が見えにくいからです。しかし今回、そこがいずれ運動場になるというお話を事前に聞いていましたので、参加者の皆さんもそのイメージを念頭に置いて、小石にいたるまでふるい等を活用して丁寧に拾い集めていました。それぞれが声を掛け合って、優れたチームワークを発揮できたと思います。
参加された皆さん、お疲れさまでした!(金子)以下、作業後の皆さんの感想を一部ご紹介させていただきます。
- 今回の現場はボランティアセンターへ向かう際にいつも通り掛る場所だったが、実際その場に立つと、まだまだ撤去しなければならない瓦礫があることが分かった。掘り起こしてみると海の砂で、津波というよりは、海があの場所まで来てしまったのだと思った。今後は暑くなると思うが、体調に気を付けながら頑張りたい。
- 酒蔵の床材の破片と思わしきものが幾つも見つかった。いろいろなものを奪っていった海が今日も穏やかだった。いつもそうだとよいのだが。陸前高田へ行くようになってからあまり現状が変わっていないように思う。これからも支援を続けていきたい。
- Facebookに陸前高田で復興支援活動をしている旨を投稿したら、陸前高田出身の友だちから「ありがとう」というコメントが入った。また、この投稿に対しては、いつになく反響が大きかった。こうやって伝えていくことも自分の役目なのかもしれないと思う。
- いつかこのグラウンドで子どもたちがのびのびと運動してくれたらと思いながら作業したのだが、思ったほど進めなかった。
- 陸前高田市は初めてだったが、南三陸町と同様の景色が広がっていて、復旧・復興の難しさを実感した。作業現場では残念ながら地元の方との交流が持てなかったが、帰りに『南三陸さんさん商店街』に寄れてお店の方とお話できてよかった。
- わずかな作業であっても人のためになったなら嬉しい。これからも復興を肌で感じていきたいのでボランティアに参加する。
- 瓦礫撤去をやるといつも思うのだが、本当に果てしない作業で、どこまでやったらいいのかとか、これが何かにつながるのかなどと疑問に思ってしまうが、今日、以前に整地作業をした花壇に立派な花が咲いているのを見て、やはり1歩1歩前へ進んでいるのだと思った。今日の作業もきっと復興につながるのだろう。
- グラウンドとして使うにはまだまだたくさんの手が必要。この気の遠くなるような作業を地元の方だけでやるのはとうてい無理。ボランティアの重要性を改めて実感した。
※今回、活動中の写真撮影は固く禁止されていました。他方、メディアでの取り上げが激減した今、この実状をぜひ伝えて欲しいという地元の方の声もあり、難しいところではありますが。